2010年2月10日水曜日

救急車デビュー

すっかりサボり癖のついたHadija日記。気づいたら2010年もう2月突入です。

さて、最近職場では新しい動きがあります。私の働くNICUと分娩室の中間にResuscitation Stabilization Team(RST)という新しいチームが5月中旬より配置されることに。

通常の分娩では、赤ちゃんが生まれてなにも問題なければお母さんと産褥病棟で過ごします。そして生後、経過観察を含めなにかしらの管理が必要な場合は赤ちゃんはNICUに入院となります(早産児はもちろん、正期産で産まれても呼吸管理が必要だったり、感染のリスクが疑われる場合など)。

5月から始動する(予定)RSTはすべてのハイリスク・ローリスクの分娩に立会い、分娩直後に集中的管理が必要な赤ちゃんから、一時的観察目的の赤ちゃんまで、4時間ほど受け持ちます。その間、経過が落ち着き、産褥病棟に移れると判断できれば、産褥病棟へおくり、4時間以降もNICU管理が必要であればNICUに赤ちゃんを移します。つまり、RSTは分娩室とNICUの中間地点としての役割を受け持つことになります。

この新しいプログラムはまだ始まってなく、私たちの中でもどういった展開になるか不明瞭な点もあるのですが、現在職場ではこのRSTの配置に向けてトレーニングを受けている人たちがいます。私も実はその一人。

分娩というのは本当に多くのリスクが伴うものです。何もリスクが無いと思いきや、産まれてみたら呼吸しない、逆にリスクが予想されても産まれてみたら、元気だった、ということもあるものです。大事なことは、いかにリスクを推測し、そして正常な経過をたどらない場合、いかに早く対処するかということが大切です。私が働く病院はハイリスクの分娩が多くある場所でもあり、今後その対策を強化していく方向として、RSTが結成されることになりました。

仕事をしだして主に2年間はベットサイドの看護をしてきたHadijaですが、去年の秋このRSTのお誘いを受けて、チャレンジしてみることに。RSTのトレーニングとして、最近は受け持ちを持たず、フリーとして病棟内をうごき(私たちの病棟ではFloat nurseと呼ぶ)、そしてハイリスク分娩にも立ち会い、蘇生の介助もするようになりました。

Float nurseはいわゆる「何でも屋さん」です。ハイリスク分娩での蘇生介助以外に、病棟内では、点滴のライン確保、採血、授乳、入院があればその手伝い、本当になんでもありです。

そして昨日は、カナダに来て初めて救急車に乗りました。これは赤ちゃんがほかの病院に転院するにあたって、一緒に救急車に乗っていくのです。このFloat nurseはこういった転院にもよく付き添います。

この赤ちゃんは多少呼吸障害があるものの、酸素は必要なく、点滴もなく、32週で産まれた8日目、1800gという状態の転院でした。私の役目は救急車に同乗して、移動時赤ちゃんの無事を確保し、何かおこれば対処する、ということでした。特に問題があるわけでなかったので、最初は「楽勝」と思っていたのが・・・この救急車というのは結構ゆれがあるもので、移動用保育器の中で赤ちゃんはベルトをつけているものの、車が揺れると赤ちゃんも大きくバウンドしてしまったり。特にこちらの道路はあまり質がよくないというか、、、溝が割りとあるので、振動がかなりあるのです。ゆえ、私は道中20分間、保育器の中に手を入れっぱなしにして、赤ちゃんが極力揺れないように守っていたわけです。同じ市内の病院だったので、20分ほどだったのですが、これが遠い街となると・・・と思うと救急車同乗はあまり気乗りしないです。

赤ちゃんを無事転院させて、帰りの救急車は助手席へ。これはかなり快適。でも車の揺れはかなり感じ、疲れも合わさって睡魔が襲ってきます・笑 

と、前置きが長かったですが、初めての救急車同乗は無事終了。でもこの日の仕事はまだまだ続くのでした。。。