2008年11月26日水曜日

知らないこと・人に聞くこと

ふと振り返ると、去年の今頃仕事が始まりました。1年なんてほんとあっという間。小学校のころは1年がとてもながーく感じたけども、いつからか時間が過ぎるのが恐ろしいくらい早く感じます。

昨日は久々にOvertimeでの仕事。普段あまり積極的にOvertimeをやらないHadijaですが、最近は出費も重なり、かつ恐ろしいスタッフ不足の日でもあり、やってみることに。

いつも12時間のシフトのところ、昨日のOvertimeは8時間のみでPick up。8時間なら軽いもんだろう~、と思っていたら、、、この1年で1番くらいに忙しい勤務となってしまった。。。

べつに重症患者にあたったわけでもなく、入院をとったわけでもなく、転院の手続きをしたわけでもないのに、何で忙しかったか???


私に申し送りをしたNsは学校を出たての新人さん。最近独り立ちをしたばかり。以前一度仕事をしたことがあったえけども、そのときはとっても静かな印象だった。申し送りを受けるのは今回が初めて。

たんたんと申し送りをする新人さん。でも私が「でもなんでこの子はこのミルク量なの?」と聞いたり、やるべき血糖チェックをしてないことを聞くと、すべてに「I don't know」と答える。。。

申し送りをなんとか終わらせ、いざオーダーチェックと今までの記録を見ると、オーダーとまったく違うことがいくつかあり、かつすべき血糖チェックをしてなかったり、いろいろなことが出てきてた。。。それも受け持ち3人とも全員。。。おまけに低血糖の子の点滴もれてるぅぅぅぅーーーーー


最初の数時間はこのオーダー確認と、新たなオーダー受け、かついろいろ予定が変わってしまった調整などに追われつつ、生後2日目の双子のママの授乳指導などなど、もうてんこ盛り状態。

休憩もほとんど取れず終わった8時間。。。


こういう日があるのは仕方が無い。暇なときもあるのだから。でも納得いかないのは、知らないことを知らないままにしていた新人さん。

この新人さんはおそらく自分が何を知らない、ということも知らない様子。かつ、ちょっと曖昧なこともそのままにしてしまい、周りに相談するわけでもなく、自分で仕事を進めてしまう。これってとっても怖いこと。


知らないことを認識すること。そしてわからないことは周りに聞く。とても単純なことだけど、大事なことです。

2008年11月23日日曜日

三つ子ちゃん・双子ちゃん

前回書いた三つ子ちゃんの一人、Nate(仮名)。

私が受け持った数日後、腸管穿孔を起こして緊急手術となってしまいました。。。そしてその数日後に亡くなったそうです。かなりのハイリスクで生まれてきたので、避けられない結果だったかもしれないですが、その過程でもう少し違う対処方法があったのでは・・・?とすっきりしないです。

あとの2人も呼吸が安定せず、再び挿管されて人工呼吸器で管理されています。まだまだながーい道のりが続きます。

最近本当に多胎が多いです。

この数日の夜勤で受け持ったのも双子ちゃん。27週で生まれて、その後険しい道のりを経て、今では元気に経口でミルクを飲んでいます。お母さんはまだ20台前半という若さのAborigine。すでに4歳の女の子がいて、今回の双子ちゃんは望んだ妊娠ではなく、偶然双子ちゃんを授かってしまった、というながれ。

この双子ちゃんのパパ(結婚はしていない)はアルコール・ドラック中毒者。妊娠に関しても受け入れてなかったそうで、今後どうこのママが双子ちゃんを家に連れて帰るか、経済的にも育児サポートなど、問題は山積み。

母乳育児を希望しながらも、赤ちゃんの授乳の直前に搾乳してしまう、そして飲ませるのはミルク、という不思議な行動をとるママ。「搾乳するよりも、直接おっぱいを飲ませてみたら?」と促すと出来るのだけど、繰り返しかかわりが必要。

私が担当した夜間2日間とも毎回の授乳にはきて積極的に赤ちゃんに関わっている。でも日中はほとんど来ないという。きっと疲れて寝ているのか??赤ちゃんが退院したらすべての負担はママにかかってくる。ソーシャルワーカーが退院後のアレンジメントを計画しているけども、とても難しそうなケース。どうなることか。。。

別の24週の双子ちゃん。お母さんはスーダン出身のまだ18歳か20歳という若さ。望んだ妊娠でなく、これまた双子ちゃんというケース。ママは面会にはほとんど来なく、治療の方針はママの出身部族のリーダーが発言力があるいう珍しいケース。この24週の双子ちゃんは二人とも頭の出血が大きく、今後重度の障害を残すことがほぼわかっている状態。

通常こういう状態になると、今の職場では積極的に治療は進めず、、むしろ治療を一切「止める」ことがよくある。この「止める」ということに関しては私の今までやってきた臨床とはまったく違い(おそらく今の日本でも行われてないのでは?)今だ理解できないことも多い。この件に関してはとても複雑なので、また日を改めて書いてみたい。

24週の双子ちゃんはとりあえず「DNR」(Do Not Resuscitate:心肺停止したとき蘇生しない)という合意を部族リーダーなる人と取っているとのこと。でも現状の治療は続行することに。その治療の相談もうまくコミュニケーションがとれず(たとえばケアチームとミーティングを予定しても来ないとか、面会にもほとんど来ない)これまた難しいケース。


望むところにはなかなか赤ちゃんが出来ない一方、望まないところに双子ちゃんや三つ子ちゃんが生まれてくる、本当に不思議なものです。。。

2008年11月15日土曜日

またまた三つ子ちゃん

昨日は夜勤明けのすぐあとの日勤でした。本当はこういうシフトはないのだけど、休暇のために勤務交代をしたため、きついシフトになってしまった。。。あまりヘビーな担当になりませんようにに・・・と願いながら出勤したら、願いかなわず。

受け持ちは三つ子ちゃんのうちの二人。27週で生まれて受け持ち時は生後3日目のNate(仮名)とRick(仮名)。お母さんは22歳にして今回の妊娠が4回目(でも今まで子供は生んだことがない)。カルテに父親の記載はなし。自然の三つ子ちゃんの様子。うーん、まえにもこういう展開あったなぁ。。。

3人とも生後すぐに挿管されて、すぐに抜管にいたったものの、私が受け持ったNateは生後2日目に肺出血をおこし、生死をさまよった。昨日私が受け持った時点では昇圧剤はとまっており、比較的安定はしていた。安定といっても、気は抜けない状態。PDA(動脈管開存:本来生後閉じるはずの血管が開いたままの状態)はおそらく大きく開いたままだろう・・・ということが考えられる全身状態。

私が受け持っている間に栄養も開始された。最初は6時間おきに1mlずつ。胃内からチューブを通じて黒やら茶色やら緑のものが少量だけどだらだら引けてくる(というか出てくる)状態。血圧が微妙に下がっている。うーん。。。

最初の1mlは12時に注入。重力を使ってゆっくりと。その後も微妙に血圧が下がってきている。前日に輸血も昇圧剤も使われて落ち着いたけど、肺出血がまだ続いているかも知れない状況。全身状態はけしてよいわけでないが、こういうときでも栄養は積極的に薦めていく今私が働いているの現場のやりかた。うーん、どうなんだろう???とすっきりしないまま夕方へ。

おなかの色はなんだかグレーがかっている。とてもいやな感じ。それをCharge Nurse(リーダーさんみたいな存在)に報告。その連絡を受けたNurse Practitionerが診察にやってくる(*基本的にBedside Nurseである私がDrやNurse Practitionerに直接連絡することはできないことになっている)。

「腹部はとてもソフト。栄養はすすめていくべき。Tryしなければ何も進まない。」ということで、栄養続行の指示。私としてはおなかがソフトでなくなったらそれこそ怖いんだけど。。。

Nateの状態が一日中あるいみ不安定でばたばたしていたところ、お隣のRickも今日はよくアラームをならす。前日よりもApnea(無呼吸)頻発。。。夜勤の人からは「このRickはとても機嫌がわるくなりやすい。ちょっとした音にも神経質。よく泣き暴れる」と聞いていたものの、私の勤務帯では一度も泣かない。関わるときはそれなりに反応はあるものの、「なんかちょっとおとなしすぎるのでは・・・?」という印象。尿量も前日より微妙に下がってきている。。。

ママのおなかから27週という早すぎる時期にでてきたこの子達が超えて行くハードルは沢山ありすぎるようです。



受け持ち二人ともすっきりしない状態で過ごした日勤。ずっとばたばたで、疲れたけども、強制的に体内時計がこちらのタイムゾーンに戻ったHadijaでした。

2008年11月13日木曜日

休暇明け

ここ最近もすっかり日記をサボっていたHadijaです。。。ばたばたはいつものこと。でも、仕事のことを中心に書くこの日記がこんなに久しぶりなのは、仕事をしていなかったからです。といっても病気だったわけではないです。休暇だったのです。それも3週間半!

日本で、こんな長い休暇まずありえないでしょう。。。日本の皆さんすみませぬ。

普段12時間で勤務しているので、8時間勤務の人より普段の休みは多く、そこに有給を8日+勤務交代3日をいれたら3週間半の休みとなったのです。日本で仕事していたときは簡単に勤務交代なんてできなかったけども、今の職場環境では代わりをみつければ自由にできるのです。うーん、すばらしい。

たっぷり日本で充電して帰ってきての仕事。英語から完全に離れていた休暇だったので、久々の英語尽くしは疲れました。言葉のなれって恐ろしい。。。英語モードにこれから切り替えていかねばです。

この数日の受け持ちは、休み明けにはぴったりの軽症レベル。休暇前はまだ保育器で酸素やCPAP(Continuous Positive Airway Pressure:持続的に陽圧を気道に送る呼吸補助機)を使っていた赤ちゃんが保育器を出ていました。栄養もチューブからではなく、哺乳瓶でミルクを飲んでいます。私が休暇に行く前にたままた受け持っていたのですが、呼吸は不安定でこの子はいったいいつ酸素がきれるのだろう・・・と思っていたけど、確実に前進しています。

なじみがあった赤ちゃんの多くはこの休暇中に退院・転院となっていました。ちょっと寂しいけど、うれしいニュースでもありました。



日本に帰るたびに髪をばっさり切ることがこの数年のお約束事になりつつあります。今回もまた切りました。のび放題になる前にまた充電に帰りたいものです。