2008年4月14日月曜日

暇なときもあれば・・・

只今4連休中の中日。本日は日中20度も越えたお天気。散歩がてらにスーパーにお買い物。本日もおいしそうなアルバータ・ビーフ購入しちゃいました♪

一昨日までの連勤。暇なときは本当に何もすることがない。。。ある日の受け持ち、3人ともチューブ・フィーディング(鼻・もしくは口から入っているチューブにてミルクを注入)だし、点滴もない赤ちゃんたち。多少の酸素は使うものの、あまりやることもなく暇すぎて困る。。。泣いたらすぐさま抱っこしてあやしてあげる。うーん、でも家に帰ったら、この子達、こんな手厚く構ってももらえるのか・・・?と疑問を感じつつも、やることがない私は手厚く「看護」。

しかし翌日の夜勤は打って変わってばたばた。急性期チームで仕事開始後、数時間にてあたらな入院。生まれて数時間後の赤ちゃん。たしか38週にて出生だったような。他院にて出生。でも、仮死が強く、筋緊張もあまりない。代謝を抑えるための低体温療法のためにうちの病院に転送されてきた。私自身まだ低体温療法の赤ちゃんをここで受け持ったことがないため、これは絶好の機会!と思い張り切ったところ・・・

「どうやら双子が入院になるらしい」

とリーダーさんより。その数分後に「Hadijaは悪いけど、別のチームで双子の入院よろしくね」と言い渡される。

すでに満床状態の病棟に、予定外の双子の入院ということで、スタッフも足りず、急性期チームで私とバックアップについていた人を分けることで、ケアのキャパを広げる、ということです。最近よくあることで。。。私は急性期チームにはいったものの、最近このパターンが多く、慢性期チームに舞い戻ってばかり。

よろしくね、っていわれて、急いで入院受け入れの準備。その直後にやってきた双子ちゃん。

この双子ちゃんたちは、お母さんが妊娠中にほとんど妊婦検診を受けていなかったため、双子ということが生まれてくるまでわからなかったそうな。一人目が生まれて、胎盤が出てくると思いきや二人目が生まれてきちゃったという、なんともびっくり仰天のケース。どうして「先進国」カナダでこういうケースが出てきちゃうんでしょうか。。。妊婦検診だって、無料でだれでも受けられるのにね。まぁ、無料だからありがたみがわからず、検診行かない人もいるのでしょうか。

出生直後は呼吸状態が悪かった双子ちゃんだけど、うちの病棟に上がってきたときはそれなりにおちついていてよかった。私はとりあえず自分の仕事の集中。点滴ライン確保が一発で成功して「いぇぇいぃぃ~」を心で叫ぶ。母体に感染兆候があったため、二人とも腰椎穿刺を行う(*こっちでは頻繁に腰椎穿刺を行う)。その介助をしつつ、オーダーの整理、なんだかんだで時間はどんどん過ぎてあっという間に夜勤終了。疲れたぁ~

最近連勤(夜勤)明けのあと、みんなで朝ごはんを食べに行くのが流行。チームリーダー的Ns:Pがいつも「Breakfastは何食べよう~」とにこにこしながらみんなを誘う。いつもぐったりの私だけど、今回はなんとなく参加してみた。

夜勤明けにしっかりNorth American的な朝食を食べ、帰宅後バクスイ。休み中はとにかくよく寝るHadijaです。

2008年4月4日金曜日

急性期チームでの仕事が始まりました

今日から4連休~!12時間シフトだと、こうしてまとまった休みがあるのがうれしいものです♪昨日の夜勤明けでも早速「Overtimeやらない~?」と電話かかってきたけど、まずはココロもカラダも休養が必要。


さて、昨日までの勤務はなかなか忙しかった。週末の慢性期チームでの日勤は、洗礼というか、新人としてのつきなのか、入院2件もあたりぐったり。。。でも、そのおかげで入院の流れはかなり把握できて、点滴も前に比べてスムーズに取れるようになった!点滴がうまくとれたときはおもわず、よっしゃ!とココロで叫んだものです。

最近は急性期チーム(重症度が高く、主に挿管されている赤ちゃんたちがいるチーム)での仕事が始まりました。急性期チームを「Level III」と私たちは呼んでいます。慢性期は「Level II」。ちなみにLevel Iはありません。

Level IIIでの受け持ちは、挿管ベビー2人か、挿管の重症ベビーを1人と、CPAP(Continuous Positive Airway Pressure:チューブを経由して、鼻につけたマスクに加圧された空気を送り、その空気が舌根の周りの空間を広げ吸気時の気道狭窄を防ぐ方法*Wikipediaより)での呼吸管理をされているベビー1人、もしくは重症1ベビー一人だけ、という少ない受け持ち。Level IIIで3人受け持つことはほぼ無いそうな。日本のときは、挿管ベビー4人受け持っていたことを考えると、恵まれた職場環境です。はい。

先日の夜勤、私はやや重症のベビーを一人だけ受け持ちました(もちろんバックアップについてもらって)。24週にて出生。現在生後2週間目。体重820g。生後数日目で腸管穿孔がおこり、現在オペ後10日目。NPO(禁食中)で栄養は点滴管理。敗血症を起こしているようだけど、循環状態は比較的安定していて、昇圧剤は使わず経過できている。ここで面白いのは、挿管してる赤ちゃんには鎮静目的でモルフィネ使います。オペ後だから、というわけであく、挿管管理の一つとして。この赤ちゃんは10mcg/hr使ってます。東京で仕事していたとき、通常の挿管管理でモルフィネなんて使わない、といったらみんな驚いてました。

久々に小さい重症の赤ちゃん。でも、比較的私の担当の夜はおとなしく過ごしてくれました。ほっ。

私がこの赤ちゃんを受け持っていた夜、おなじ部屋に2人の入院がありました。一人は32週で呼吸状態が悪くCPAP装着。もう一人は37週の双子の一人、なぜか呼吸状態がかなり悪く挿管。私は私の仕事に集中していたのですが、周りはばたばた。


ふと気付いたのですが、私はほとんど新生児科医に会いません。先日のばたばた夜勤でも新生児科医は登場しませんでした。会うのは、昼間の回診くらい。日本で仕事していたときは、入院時かならず新生児科医が付き添うものですが、こちらではTransport NurseとRT(呼吸療法士)が分娩室からNICUに赤ちゃんを移送してきます。病棟で一通り赤ちゃんの状況を整えると、そこには大体NP(Nurse Pracitioner)が登場して、診察そしてオーダーを出していきます。このNPがほとんど医師的な仕事をしているようです(NPという職種はまだ日本にはないようですが、NPは看護の修士コースで専門分野を勉強します)。



じゃぁ、新生児科医はなにをしているのでしょう・・・・??



前にもこの疑問を感じたけど、いまだに疑問です。最近Level IIIで見えてきたのは、新生児科医はおもに「コンサルタント」として位置しているように思えます。回診のとき、ずらーっとスタッフがいるのですが、主な報告をベットサイドNsがして、呼吸に関することはRT(呼吸療法士)が、栄養のことは栄養士が、そしてその報告をうけて、オーダーを出したり、変更したり、というのはNPや研修医がやります。そして、その際、総括的なコメント・アドバイスをするのが新生児科医???という印象です。


同僚たちに、

「日本の新生児科医は採血から点滴確保から、挿管もカテ挿入もぜーんぶやるんだよ」(*ここでは採血・点滴確保はRNがやるし、挿管もPICC・臍カテ類はNPやTransport Nurseがやる)

「当直も1週間に最低1回もしくはそれ以上あって、昼間は外来も受け持っているんだよ」(*ここでは当直は主にNPや研修医がやる。よほどの重症のときは新生児科医も呼ばれることがあるらしい?が)

「心臓や頭のエコーも新生児科医がやっているよ」(*エコーはエコー技師がやる)

といったらみんな驚いています。私も改めて「日本の新生児科医ってすごい仕事量をこなしているなぁ~」と振り返っているところです。あ、もちろん新生児科医に限らず。


腸管穿孔を起こした先ほどの赤ちゃんの話に戻りますが、このくらい重症でも、お母さんが望む場合はスキンシップをはかっていきます。カンガルーケアって、聞いたことありますか?これはお母さんの胸ので裸の赤ちゃん(オムツだけはつける)を抱っこすることです。お父さんとカンガルーケアをすることもあります。お母さんやお父さんの体温で赤ちゃんを保温することも出来て、かつ親子の絆を深めることが出来ます。そして抜管(気管内チューブを抜くこと)のときは、うちの病棟ではだいたいこのカンガルーをしながら行うそうです。その状況に立ち会えたらここで詳しく紹介したいと思います。