2008年9月20日土曜日

Apprehended

先日、Dandy Walker Syndromeという病気の男の子(Thomas:仮名)を受け持ちました。この病気は脳質とくも膜の交通障害が先天的にあり、結果てきに水頭症を合併しやすいものです。

39週、3.4キロで出生。私が受け持ったのは生後約2週目でした。特に神経学的症状は今のところなく、全身状態は落ち着いており、通常のケースであれば自宅に帰る時期であったのですが、ちょっと訳ありの家族背景がありました。

Thomasのママは今まで14回妊娠。2回の流産をしています。なのでThomasは12人目の出産(2人は事故?により死亡)でした。そして、Thomasのお兄ちゃん・お姉ちゃんにあたる子供たちはFoster parentsに育てたれている、というバックグランドがあるのです。そしてこの生まれたばかりのThomasもすでに養子に出されることが決まっています。

今回私が知ったのは養子に出されるケースの言葉の違い。カルテに「Apprehended」と書いてありました。同僚に「Adoptionとどう違うの?」と聞いたところ、Apprehendedは親に養育能力がない場合(仕事を持たない、子供を育てる経済的基盤がない、ドラック・ユーザーである、子供を虐待してしまうなどなど)、両親の意思には関係なく、強制的にFoster parentsに子供を預けられてしまうということです。

こういったSocial Serviceを巻き込むケースは非常に多くみられます。移民やNative Indianといった人種的背景が大きく関わっているのも、カナダというかこの土地ならではの特徴でしょう。ちなみにこのThomasもNative Indianの赤ちゃんです。日本であまり経験ないことだったので、ここならではの地域保健や看護もこれから学んでいく必要があるHadijaであります。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

少しずつ秋風が目立つようになってきた日本です。それでもまだ日中は25度くらいかな。過ごしやすくなりました。

それにしても12回の出産とは。。。
(1回の出産ですでにぐったりの私。)
カナダは受胎調節をしてはいけない宗教の国でしたっけ?(知識不足ですみません)
複雑な背景が想像できますが、旦那さんは何考えてんだか。。。
ApprehendedでもFoster parentsとして子供を望む家庭も多いのかな。
Thomasくんもちゃんと受け入れ先が決まっていてよかったです。
今の日本では考えにくいところですね。

Hadija さんのコメント...

だーしま さん

お久しぶりです~だーしま家のお子はさらにかわいさUPしているでしょうね!お仕事&子育てお疲れさまです。

あくまでも私の周りでの話ですが、避妊に関しては日本の人たちより、ここの人たちのほうが知識・情報を持っている印象があります。女性に限らず、男性も。テレビや雑誌で新しいピルの宣伝があったりします。あと、私のいる地域にはBirth control clinicがあります。ここはお金が無い人には無料でピルを配るだけでなく、ちゃんと検診・カウンセリングもしています。お金を払うとしても、たとえばピル1シート(1か月分)が7ドル。私が日本にいたころは、まだピルは自費負担で3000円くらいだったような。保険対象にするかしないか、なんていっていたけどその後どうなったか?

と、受胎調節にはここでは積極的なサービスがあるにはあるのですが、それを活用するかは個人の考え方によるようです。

受胎調節に限らず、妊婦検診も無料である程度受けられるにもかかわらず、妊婦検診受けてません、というケースもあります。。。私が働く病院が治安の悪いところにあるせいもあるみたいですが。

ここは人種・文化・価値観が本当に多様で私には日々驚くことが多いです。