2013年2月21日木曜日

忙しい新しい職場

前回、おなじ新生児分野の看護でも、働く病院によって業務量が違うことに触れました。その理由や現状は私もまだ模索中なのですが、私なりの理解の範囲でご紹介します。

メルボルンというと、一般的にMelbourne Metropolitanといいます。これは東京がTokyo Metropolitanといわれるのと似ているでしょうか。しかし、東京都民が1300万人(平成25年1月1日時点の東京都の統計より)に対し、メルボルンがあるビクトリア州全体でおよそ500万人、そのうちのメルボルン(近郊を含め)およそ400万人となっています。

約400万の人口をかかえるメルボルンには16つのHealth Regionがあります(http://www.health.vic.gov.au/hospitals/pubwebs.htm)。基本的にオーストラリアの保健・医療費は公費でまかなわれています(プライベートの施設はもちろん有料)。診療を受ける際は住んでいる地域の病院にかかることになります。一般成人に関しては私はなじみがないのですが、たとえば妊娠・出産で診察や入院をする場合、住んでいる地域をカバーしているHealth Regionの病院にいくことになります。そしてそこでかかる費用は基本的に無料です。日本は妊娠・出産はとてもお金がかかることですが、カナダでもオーストラリアでもお金の心配はあまり必要ありません。ただ、カナダとオーストラリアの妊娠・出産事情で大きく異なるのは、プライベートの保険システムがあることです。プライベートの保険に加入している場合は自分で産科医を選べ、継続的なケアをうけられます。かつ入院中個室に入れたり、聞いた話ですが「手厚い」ケアをうけられるとか。無料のPublic serviceを受ける場合は、妊婦検診や出産の時は、その時勤務している医師の担当となるんので、個別の一貫したケアというのは難しくなります。ちなみに出産後の入院期間はPublic hospitalで2日(48時間をきる場合もあり)だとか。帝王切開でも3日だそうな。日本とは大違いですね。。。

また、プライベートの保険がないと、歯科や理学療法、眼科(とくにめがねやコンタクトレンズ)などはすべて自費となります。それに加え、何かしら手術や専門医の診察が必要な場合はとてつもなく長い待ち時間が生じてきます(緊急を要するケースはもちろん優先されますが)。私の知人はひざの手術が必要らしいですが、待ち時間1年だとか。これがプライベートの保険を持っている人は待ち時間がぐんと短くなります。

プライベートの保険に関しては私もまだ情報収集中なので、詳しくはまた今度ご紹介しますね。

私がいまCasualとして雇用されているのは16のHealth RegionのうちのSouthern HealthとRoyal Women's Hospitalの2つです。Royal Women's Hospitalにはこの一つの病院しかないですが、Southern Healthには8つの医療施設があります。この8つのうちのひとつ、Monash Medical Centre Claytonというところがうちから歩いてすぐの病院で、ここの新生児科(Monash Newborn Services)での仕事が最近始まりました。

私は今までMonash Newborn ServicesとRoyal Women's Hospital、そして人材派遣会社と通して、Royal Children's HosiptalとAngliss Hospitalの4ヶ所で仕事をしました。この4つともHealth Regionは異なります。そしてそれぞれ違う予算を割り当てられいる様子です。

私が4ヶ所で働いて感じたのがMonash Newborn Servicesでは一人のナースが担当する業務量がとても多いということです。重症度が高い割りに、それに必要なだけのナースが割り当てられてない(つまりその人材の分の予算が割り当てられていない)、と初日から感じ増しました。たとえばおなじ重症度でRoyal Children's Hosiptalであれば一人のナースが受け持つのは2人です。これがMonash Newborn Servicesでは3人、ひどい時は4人となることも。さらに違うのは、Royal Children's HospitalやRoyal Women's Hospitalでは赤ちゃんを受け持たないフリーのナースが原則勤務しているのですが(スタッフ不足でいないときもあるけども、その割り当てはある)、Monash Newborn Servicesではフリーのナースがもともといません!!なので、自分の受け持ちの赤ちゃんのことはすべてやらなくてはなりません。手のかかる処置や検査だしもすべて自分でやることになり、助けが必要な場合は周りの同僚と助け合うことに。

またSouthern Healthは予算の割り当てがすくない?と感じるのは、使っている物品やら備品、モニターや保育器にも感じられます。基本的にMonash Newbornで使うのは古いものが沢山あります。小さいことですが、赤ちゃんのおしり拭きひとつにしても、物足りなさを感じます。。。細かいところで不便を感じると、これが積もり積もり、やりたいことがはかどらない→さらに忙しくなる、ということがよくあります。

今までも予算がすくなかった様子のSouthern Healthなのですが、今後さらに予算カットが・・・!!!今年度予算、なんと、、、およそ13億円減ることにぃーーーー!!!この影響が早速でてきています。私たちCasualの勤務時間(日勤・夜勤)は8時間から7.5時間に減らされました。労働時間が減れば、お給料も減るわけで、その分雇用主としてはお金をセーブできる、というわけです。この時間短縮は常勤スタッフにはおきていません。というのもCasualスタッフは1.25倍の時間給をもらうので、まずはお給料が高いスタッフから時間短縮、となったのです。しかし、今後は常勤スタッフにも時間短縮の流れがくるかも・・・とみんな心配している様子です。

時間が減らされても、こなす業務量は以前と同じです。なので最近は余計にMonash Newborn Servicesで忙しく感じます。でも歩いて10分以内に職場に到着(病院の建物までは5分!)という通勤のしやすさは何にも変えられません。あとは、これだけ忙しくて重症度もあるところで働いていたら、どこでもいけるようになる!!と前向きにもなっています。

と、ここまでいっておいてふと日本で仕事をしていた時を思い出しました。日本での仕事量を考えたら、今忙しい!とおもう職場の仕事量はそれほどでもないなぁ、と。すっかり私は甘くなってしまったものです。。。



0 件のコメント: